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既婚者のモヤモヤの正体をあばく、性愛小説の極致。 「花酔ひ」(村山 由佳)

花酔ひ花酔ひ
(2012/02)
村山 由佳

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おすすめ度:★★★★★

バレンタインデーに、妻はチョコと一緒に本をプレゼントしてくれます。
今年は「どんな本がいい?」と聞かれたので、「一般小説で思いっきり官能的な作品がいいな。不倫小説とかね」と答えました。
今年のバレンタインに、妻からもらったのが本作品です。

本作品は、
恋というほど 激しくはなく
愛というほど 穏やかでもない
大人の情愛を描いた性愛小説です。

視点が、二組の夫婦(4人)の間で目まぐるしく変わります。
視点の転換と不倫小説の相性はバッチリです。
妻にあんな風に思われていた夫が、逆に妻のことをこんな風に思っていたのかというのが、リアリティを生んでおり、厚みのある夫婦像を浮かび上がらせています。
不倫ものって、妻なら妻、夫なら夫の一人の視点で書かれると、不公平で薄っぺらなものになります。
不倫する人の配偶者は、だいたいつまらない人として描かれます。
たとえば、煙草をやめない、気がきかない、エッチが自分本位・・・
でも、実際はそんな一方的ではないはずです。
どんな人間でもいいところもあれば悪いところもあります。
好きになれば何でもよく見えるし、気持ちが冷めてくれば同じことでも悪く見えるだけです。

東京の下町と京都を舞台に、日本的な情緒を織り交ぜて、既婚者の情愛を描き切っています。
官能文学の極致と言ったら言い過ぎでしょうか。
私が今までに読んだ性愛小説の中でも一番官能的でした。

ハタから見れば、幸せな家庭を築いているし、そのことに感謝もしています。
でも、心のどこかに隠しきれないモヤモヤがあります。
心の渇きとか、そんなかっこいいものじゃありません。
曖昧模糊としたもの、それはもうモヤモヤと呼ぶしかないのです。
そのモヤモヤの正体が、本作品で明らかになります。
結婚して10年以上の既婚者が、ゆっくりと味わいながら読みすすめたい、大人の作品です。
ホワイトデーに奥様へプレゼントして、夫婦で楽しむのもオススメです。


【編集後記】
同著者の気になる官能作品はこちら。
誰かと重なり合いたいという、根源的な欲望を抱える12人の女性たちの長編連作小説。

アダルト・エデュケーションアダルト・エデュケーション
(2010/07/22)
村山 由佳

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