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官能小説史上、もっとも我慢汁を漏らした男。 「ひとづま: 貞操と略奪」(北川 右京)

ひとづま: 貞操と略奪 (フランス書院文庫Grande)ひとづま: 貞操と略奪 (フランス書院文庫Grande)
(2012/12/25)
北川 右京

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おすすめ度:★★★★★

(紹介文)
「恥ずかしいです。そんなに見つめないでくださいませ」
行灯の薄明かりに妖しくぬめ光る武家妻の雪肌。
無役となった夫の苦境を救うため、身体を捧げ、悪家老の求めるまま、屈辱の契りを強いられる日々。
誇りだけは守ろうとするが、ついには愛娘まで毒牙に・・・
貞操強固な人妻・由美がたどる哀しき零落の軌跡!


時代小説ならではの絶対的な身分の差。
絶対悪の言いなりにならざるをえない状況に、現代小説にはないリアリティがあります。
夫のため、お家のため、自分を犠牲にする武家妻。
その貞操ぶり、貞淑ぶりには、凛とした美しさがあります。
たとえ堕とされても、下品にならない。
心までは汚されない。
彼女の生きざまが胸を打ちます。

本作品の醍醐味は、悪家老の護衛役である倉坂又一郎になりきることに尽きる。
護衛役という仕事上、また人妻の羞恥心を煽るという悪家老の企みから、一部始終を目撃させられるわけです。
手篭めにされている相手は、憧れの隣人妻。
彼女のことも、家族のことも、昔からよく知っているだけに、葛藤も深い。
悪行を止めるべきだし、彼女を救うべきなのに、悪家老の言いなりになっている自分・・・
でも、欲求不満がたまる・・・
勃起させている・・・
本当は見たいと思っている・・・
自分も悪家老と同じ穴のムジナだ・・・
このあたり、苦渋に満ちた主人公に感情移入して、地獄と天国を同時に見ることができます。
官能小説史上、もっとも焦らされ、もっとも我慢汁を漏らした男は、必見です。

絶対禁忌の嵐が吹きすさぶラストまで、一気読みの面白さです。
彼は間違いなく彼女に惚れていた。
貞淑な彼女が、果たして彼のことをどう思っていたのか?
ほのかな余韻が残ります。


【編集後記】
同著者の気になる武家妻作品はこちら。

ふたりの武家妻【美しき操】 (時代艶文庫)ふたりの武家妻【美しき操】 (時代艶文庫)
(2011/08/10)
北川右京

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